おっちょこちょい

技術立国日本を支える一技術者として、技術のウンチクや技術者の待遇に関するグチを垂れ流しています。留学や海外出張時の経験を元に、日本と外国の歴史的・文化的な違いに関する経験と所感を述べます。

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研究者・大学の評価

 ノーベル賞を同じ年に受賞した日本人が4人と発表され、非常に喜ばしいニュースです。その一方で、4人のうち2人はほとんどの研究生活をアメリカで行っており、受賞者だけでなくさまざまな人たちから、現在の日本の研究環境に対する苦言が言われています。理科離れ、オーバードクター問題、研究者に対するインセンティブ、などなど。。。私は、研究者・大学の評価システムが一つの問題と考えています。
 適切な評価システムがあれば、研究者が優れた研究を行うことが、そのままその研究者と大学の評価につながり、研究者と大学は優れた人材と大きな予算を獲得しやすくなります。逆に、評価システムが不合理だと、見栄えだけの良い中身のない研究が高い評価を受け、そこにリソースが集まり、大したことのない研究がさらにたくさん行われてしまいます。簡単に言うと、基礎研究がおろそかになる、と言えるでしょうか。
 評価の指標としてよく利用されるのは、科学技術に限らず、「Output/Input」がよく利用されます。特に日本の大学の研究者に対しては、Outputに論文に関する要素が含まれます。ところが、論文についての何が「Output」となるかというと、「数」です。「質」ではないのです。これでは、短期的に粗悪な論文の数を増やすことを増長させるだけで、良い研究など生まれません。もっとも、最近はScopusやISIでの引用数が「Output」に含まれるようになり、改善傾向にあるようですが。。。
 依然として問題なのは、「Output」に国際会議の開催や学会等で何かの委員をしたことが、一定の幅を利かせていることです。もちろん、そうしたことに大学の研究者が積極的に参加することは大切です。しかし、ここでも国際会議や学会の「質」が問われていません。これでは、「Output」を増やすため、小規模で中身のない国際会議をたくさん開催したり、無意味に学会を乱立させることを増長させてしまいます。そうすると、貴重な人的研究リソース(大学職員、学生、若手研究者)が国際会議や学会の運営に割かれてしまい、本業の教育・研究がおろそかになってしまいます。性能の低い売れない商品の広告宣伝に力を入れても、企業にとって成長につながらないのと同じです。
 「Input」にも問題があります。特に大学の評価について、「Input」に人件費があります。つまり、人件費を抑えつつ大きな「Output」を出せる大学が良い大学ということです。このような評価を用いた結果、賃金は減少し、教職員の採用は抑えられ、サービス残業が激増してしまいました。上述のように、本業である優れた研究をすること以外の、「Output」を増やすためだけの雑用が増えているにもかかわらず。そうすると、研究という知的労働をするために必要不可欠な「時間」が浪費されていきます。また、国立大の50代の中堅教授ですら、年収1000万を超えなかったりもします。これでは、良い研究をしたいと志す研究者が日本を離れたがり、研究で飯を食べていこうと志す若者がいなくなってゆくのも無理ありません。。。
 これらは数年前に私が工学博士を取得するために大学にいたときの所感です。現在と変化している部分もあるでしょうが、その後の大学教員の方の話を聞く限り、そんなに変化してもいませんし、また、そんなに間違ってもいないと思います。今日は久しぶりに長々とそんな真面目な話をしてみました。

 

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スペースシャトルと国際宇宙ステーション

スペースシャトルが久々に打ちあがりました。

何はともあれ、無事打ちあがって、一安心です。

機械屋としては、スペースシャトルは大好きです。あれだけ巨大なものを宇宙に飛ばす、その技術にロマンを感じます。

とはいえ、学生のときほど、スペースシャトル、というより、スペースシャトルとそれを用いた宇宙開発、すなわち、国際宇宙ステーションに、ワクワクしなくなりました。

まあ、年をとったというのもありますが、あまりに政治的・資金的に巨大なプロジェクトになってしまったがゆえ、だと思います。悪く言えば、国際宇宙ステーション=国際巨大不良債権建造プロジェクトとなっているように感じます。

日本も「きぼう」の打ち上げを控えていますが、聞くところによると、打ち上げにより、「きぼう」の維持費と、宇宙ステーションにモジュールを持つ国の義務である、補給物資の打ち上げ費用だけで、ただでさえ他国に比べて小さいJAXAの年間予算が2~3割なくなるとのこと。そのわりに、「きぼう」で何をするか、あまり聞こえてきません。

まがりなりにも科学技術立国である日本の宇宙開発はどこに向かっているのでしょうね?

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無線

最近、仕事の関係で無線に関するお勉強をしています。

携帯電話のような直接無線を利用する機器を別とすれば、大抵の機械屋が作るものに、無線は必要ありません。基本的に有線です。

ですので、自分は無線に関する知識がほとんどありません。仕事の合間にせっせと勉強しているのですが、規格(電波の周波数帯の割り当て)関係がややこしいですね。

日本の電波の周波数帯の割り当ては、欧米諸外国と比較して、かなり異なっています。外国は、国により差異はあれど、ITU(International Telecommunication Union)国際電気通信連合の策定した仕様にあわせていますが、日本はかなり異なっています。

そんなわけで、「おっ、この無線機器いいんじゃね~」と思ってよく見ると、外国製で、日本では一般使用が禁止されている周波数帯、ということがしばしば。

何とかならないんですかね。

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マイナスイオン

マイナスイオンの誇大広告に関する記事(読売)が出ていますね。

自分のように、ある程度化学に関わる技術者にとっては、昨今のマイナスイオン騒ぎはある意味ばかばかしいのですが、普通の人にとってはどうなのでしょうね。

マイナスイオンのWikipediaにもあるように、「マイナスイオン」という科学的な物質は存在しません。中学・高校でならう、陰イオンが表現としては近いですが、全く別物です。

では、陰イオンにマイナスイオンでいわれるような空気清浄効果はないのか?これは必ずしもないとはいえません。空気中の帯電微粒子が多いと、人間にとっては不愉快に感じるらしいので、それを陰イオンで中和すれば、空気清浄効果がないとはいえません。

ここで、「らしい」を使ったのは、「人間が不愉快に感じる空気」というのが、湿度や気温など、さまざまな複合要因に依存し、帯電微粒子量だけで決まるわけではないからです。ですから、効果はないとはいえない、という表現になります。いずれにせよ、広告で言われるようなはっきりした効果があろうはずはありません。

ぶっちゃけ、湿度がかなり影響を及ぼすので、部屋の湿度を加湿器や除湿機で制御するほうが、よっぽど心地よい空気になってくれると、個人的には考えます。実際、まともな商品は、広告としてやや不明瞭な表現をしていても、陰イオンを放出するとともに、きちんと空気中の粉塵を取り除いたり、湿度や気温を制御することで、心地よい空気を作り出しています。嘘はついていないですね。

ところが、さらに飛躍して、健康増進効果などは、はっきりいってないでしょう。こうしたことをいっている広告の説明は、全く理論的ではありません。理論的なものがあったら、紹介してほしいです。

いずれにせよ、陰イオンをマイナスイオンと置き換えてあいまいな表現にした科学技術製品が存在することは、科学技術者として悲しいです。それがまた売れているのが、さらに悲しいです。


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